【映画サロン】vol.105 (ネタバレ注意)「潮待ち模様」さぬき映画祭

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映画ネタ。今年も「さぬき映画祭」の時期になりました。コロナ禍で開催されなかった年もありますが、私は5年ぶりの参加です。

開会式のチケットを取って観に行きました。

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会場のレクザムホール・・・なんと大ホールは同志社大学の入試が行われてました。たしかに2月の上旬は私立大学の試験の日でしたね。

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5年前は・・・「いただきガール」を観に来ましたが、こんなに年配の人ばかりだったかなぁ。むかしはショートムービーコンペティションとかあったから若い人が多かった気がしたけど、今はやってないんやなぁ。

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開会式の後は、シナリオコンクールの結果発表があって、大賞と優秀賞が表彰されるという・・・・賞金10万円と自主映画製作に100万円補助がもらえる特典付きです。

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2年前のシナリオコンクール大賞の三好冬馬監督の「潮待ち模様」が自主制作映画として初めて上映されました。

「潮待ち模様 初恋のゆくえ」公式サイト

舞台は津田漁港。高齢の漁師の男性が漁船で港に帰ってくる。「遅かったのぅ」陸で魚の到着を待ってた人の問いかけに「星を見よったんじゃ」の答え。・・・・・漁師の息子の私の率直な感想・・・・いやいや、漁師のじいさんが星を見てたって・・・・そんなロマンは聞いたことないなぁ。魚がおらんようになった・・・・海の環境変化で昔のように魚が捕れなくなったとなげく老漁師のテルさん。ある日、水産会社で働くインドネシア出身の技能実習生シュリが、港に停まっているクルマの中で寝ていたシンイチを死体と間違えてしまうところから3人の関係が深まっていくお話です。

シンイチとシュリは二十代でしょう。コロナ禍で職を失い、住むところもなくなったシンイチは車上生活を余儀なくされて、津田町へ来たようです。シュリがきっかけで知り合った漁師のテルの仕事を手伝うことで漁師になってみようと決心するシンイチ。ストーリーはシンプルでわかりやすく、津田町のノスタルジックな雰囲気をうまく使っていると思います。

木造の古い一軒家に一人暮らしのテルさん。高齢なのに家族が1人もいないなぁと思ったら、独身でした。若い頃から漁師一筋。ひぇぇ。西浜の漁師にそんな独身の人おったかなぁ。漁に行かん時は競輪行くか、家で酒飲んみょるかじゃなかったかなぁ。シンイチはシュリといい感じの雰囲気になっていきます。てっきりこの2人のラブストーリーになるんかと思いましたが・・・・主人公は老漁師のテルさんでしたね。

シュリとシンイチはテルさんから結婚せずにずっと独身でいる理由を聞き出します。若い時に好きな女の子がいたけど、他の男と結婚してしまったんだと・・・・その女の子が、実は毎朝テルさんと浜辺であいさつを交わすセツさんだったという・・・・セツさんが未亡人かバツイチかはわかりませんが、独身らしい感じで・・・・小学生の時に野良犬から守ったり、いっしょに海を眺めたりする幼馴染だったようです。

最後にテルの想いがセツに伝わり、「初恋のゆくえ」というサブタイトルはテルさんの初恋のことだった・・・という結末でしたね。

キャストのみなさん、初めての演技で・・・よく演じきったと思います。監督も初監督でしょう。50分くらいの作品でしたが、映画を作るのはやはり大変ですねぇ。

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映画の後の舞台挨拶です。脚本、兼監督の三好冬馬監督は59歳だそうで・・・見た感じ私よりもだいぶ若く感じました。俳優をやっていたと話してましたが、自主制作で映画を作るのは大変だったそうです。

テルさんは京都出身だそうですが、数学の教師だったとか。定年後に娘さんがさぬき市にいたことから香川に移住して、カヌーや竹細工を教えているとか。悠々自適に暮らされてますねぇ。

セツさんも地元で地域の交流を深める教室をやってる方だったかなぁ。シンイチは自営業って言ってたか。シュリは通訳。まぁ、でもやっぱりテルさんの優しい感じがスクリーン越しに伝わってきますねぇ。口数少ないのに。

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終了後の様子です。帽子の男性がテルさん。

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三好冬馬監督。59歳には見えないでしょう。

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シンイチは劇中は黒髪でしたが、現実は金髪でした。(笑 隣の男の子はテルさんの小学生時代を演じた子。左の男の子は中学?高校時代?のテルさんと隣の女の子がセツさんの小学生時代を演じた子ですね。

三好冬馬監督が「47都道府県で上映できるように、これがスタートです」とおっしゃってました。全国の人に観てもらえるといいですね。

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