続・香川あっちこっち vol.56 瀬戸内国際芸術祭2022 秋会期 高松「大島」

IMG_9799.jpeg
瀬戸芸ネタです。

3年に1度の瀬戸芸も11月6日で最後となりました。きっと混むだろうと思って、先週、大島へ行ってきました。大島って最近まで認識がなかったのですが、国のハンセン病の療養施設の島、ということで一般の人の訪問は事前に見学申し込みを申請して、許可されてから訪問ができる・・・・という他の島とは少し事情が違う特別な場所です。それが瀬戸芸の期間だけ会場として自由に訪問できるというのですから、この機会に行くしかありません。

庵治港にも大島行きの連絡船があるのは知ってましたが、そちらは職員専用の連絡船になったようで、一般の人の船は高松港の桟橋からです。

IMG_9801.jpeg
高松港発9:20の高速船。30分ぐらい前に行けば大丈夫だろう・・・・少し早めに8時35分くらいに受付に来たら、すでに大勢の人が並んでいて・・・・定員50人の42番。あぶないあぶない。これに乗れないと次は11時15分でした。整理券には注意事項と禁止事項がいっぱい。ちょっと緊張しますね。

IMG_9800.jpeg
「国立療養所大島青松園」が正式名称。その高松事務所が高松港にあって、普段はそこで見学者の船での訪問を受け付けるようです。瀬戸芸期間はこの官有船「せいしょう」で訪問します。官有船なので料金は無料です。

IMG_9802.jpeg
私語禁止。なんかもう船の中が・・・・お通夜みたいで・・・瀬戸芸ですよね?

IMG_9804.jpeg
大島は庵治のすぐ沖に浮かぶ島。そんなに遠くはないです。高松港から所要時間は30分。これが大島ですね。砂州が延びたような・・・南北に縦長の島です。

IMG_9809 2.jpeg
訪問者に注意事項の説明がありますので・・・・それを聞きに行きます。この右側が療養所で立入禁止となっています。左側が瀬戸芸の開放区画です。

IMG_9812.jpeg
この概略図がわかりやすいですね。敷地も狭いのでそんなに多くの作品があるわけではないです。実は私はそれを予測して・・・・11時30分の男木島行き高速船に乗ろうと思ってました。なので滞在時間は1時間40分。効率よく作品を回りましょう。

大島で人気の作品は「リングワンデルング」。逃走階段のようです。入所者が脱走を試みたルートの再現・・・・でしょうか。崖を降りたり登ったりするとのことでした。これはツアー形式で希望者が大勢いましたので、これに参加すると11時30分の高速船には乗れないとのことでしたので、諦めました。

IMG_9814.jpeg
さぁ、島を散策です。訪問者のほとんどがリングワンデルングへ行きましたので、私のように作品を見て回る人は数人。そもそもここには人がほとんどいませんのでガラーンとした寂しい景色・・・・前方に見えるのは平屋の住居。ここも療養所として使用していたんでしょうね。目の不自由な患者さんのために施設では音楽が流れています。その聞こえてくる方向で自分の位置がわかるためだそうです。

IMG_9819.png
地図で大島を見るとこんな感じ。私は海岸で小豆島の方を向いています。

IMG_9816.jpeg
これね。左が森繁久弥が買ったという兜島。右が鎧島ね。源平合戦で敗れた平家が兜を置いていったというのが島の名前の由来だそうです。その島の向こうに見えているのが小豆島ね。

IMG_9825.jpeg
「海のこだま」

壊れた木造船が部屋の中に置かれて・・・・へさきが割れて船としてはもう機能しない。それが部屋の中に置かれている・・・・・何を表現しているのか・・・・現代アートは理解できないことを考える人も含めてアートでしょうか。

IMG_9826.jpeg
こんな感じの古い造りの長屋っぽい「つながりの家」に作品がいろいろ展示されています。なんか・・・・異様な空間。後で見た社会交流館の大島青松園の歴史で昭和の初期から戦後にかけて最大700人もいた・・・・島での生活の様子の写真がいくつか飾られていました。こんな施設が昔からここにあったとは・・・・高松で生まれ育ちながらまったく知りませんでした。

IMG_9827.jpeg
電話機が撤去された電話ボックス。平成生まれの人は知らないんじゃないかなぁ。テレフォンカードも知らないかもね。電話ボックス・・・・家で長電話すると親に怒られるから、10円玉をいっぱい持って・・・夜、電話ボックスで長電話しましたねぇ。ベッドの上で寝転んで携帯で話せる今では考えられないですね。

この電話機のない電話ボックスもアートっぽいですね。閉鎖された空間・・・・海で囲まれた島・・・・連絡できない・・・・昔の大島の空間を電話ボックスというかつては使われたモノで表現してるような・・・・考えすぎですか?(笑 いや、でもいい感じです。これを使って私が次回の瀬戸芸のアート作品を作ってもいいですね。

IMG_9838.jpeg
「声の楔(くさび)」古びた温室に島に住んでいた人の声を表すものが置かれている。

IMG_9839.jpeg
私一人しかいなかったので・・・なんか異様な雰囲気で・・・・カセットテープレコーダーが置かれてる。もちろん私も持ってましたが・・・・長らく触れてない。懐かしい。これテープに録音された人の声を再生できたんですね・・・・あぁ、聞けばよかった。

IMG_9845.jpeg
先端の作品から引き返します。ここからだと五剣山の北側が見えますね。そして庵治ですね。

それにしても本島の時と同じく、いい天気で。

IMG_9850.jpeg
「青空水族館」。青が美しい。海底を表現しているような・・・・でも束縛を周りの木材が表現しているような・・・その奥で悲しそうな顔をしている人魚。時折、コン、コロコロコロと音が聞こえてくる。なんだろう?

IMG_9854.jpeg
と思ったら、人魚の目から涙が落ちていました。この小さいガラス玉。人魚の涙は真珠じゃなかったっけ。コロコロ転がるガラス玉がいっぱい・・・・誰が回収して補充するのかなぁ。

IMG_9857.jpeg
海岸に漂着したプラスチック廃材で作った作品。たくさん流れつくんでしょうねぇ。

IMG_9861.jpeg
これはわかりやすい。海藻を使った作品。素直に美しい。こういう作品を見るとほっとします。

IMG_9865.jpeg
カフェ シヨル。

コロナ禍の前はここでコーヒーが飲めたりしたんですが、今は大島での飲食は禁止になりました。残念。カフェ しよらん・・・・です。

他にもいろいろ作品は見ましたが・・・・やはり島の生活を表すモノなので・・・・ちょっと心が痛む。つらいものが多いです。

IMG_9868.jpeg
そうこうしているうちに11時過ぎましたので、そろそろ船着き場の方へ。瀬戸芸スタッフの方がいて・・・・ちょうど男木島へ行くスタッフの人が男木島のおすすめランチスポットを聞いているところだったので、これ幸いと私もいっしょに聞いていました。

IMG_9869.jpeg
ゆくるさんのランチが秀逸だそうで・・・・それからつきうみバールのモヒート、ダモンテ商会のパンがおいしい。あとはオンバカフェ・・・・・なるほど。場所も含めてよくわかりました。スタッフさん、ありがとう。

IMG_9874.jpeg
瀬戸芸期間のみ運行している大島と男木島を結ぶ高速船。ジャンボフェリーが運行してます。黒と黄色の・・・・タイガースカラー?片道1000円。これに乗って男木島へ渡ります。・・・・つづく。

この記事へのコメント

先月の人気記事!