続・香川あっちこっち vol.55 瀬戸内国際芸術祭2022 秋会期 丸亀 「本島」その2
本島ネタ。食べ物以外いってみましょう。
この通りだけ見てると、ほんとに小京都のようです。瀬戸内海の真ん中に浮かぶ本島に、こんな通りが100年以上前からあったというのは驚きです。今回の訪問の一番の収穫ですね。
キンモクセイが満開で、この周辺、あの甘い香りがいっぱいです。
アサギマダラ飛来地という看板。なんだろう?と思って入ってみたら・・・・
アサギマダラが十数匹舞っていました。なんでここに?・・・・・島の人がアサギマダラをよびこむために、フジバカマを植えたそうです。渡り鳥のように何千キロも旅をする蝶らしく、本島にも来るようになったそうです。アサギ色(青緑色)のこぶりなアゲハチョウのような蝶です。
こんな蝶は意識してなかったので、過去に見た記憶がないですが・・・・きれいな蝶ですね。香港まで飛んで行った例もあるそうですよ。
「SETOUCHI STONE LAB」。デジタルと伝統。中庭にレイアウトさえれた、様々な大きさ、カタチの石に何やら数字が刻み込まれていて、それが何か規則性があるような・・・・すべて違う数字が刻まれています。3.850, 2.685・・・・・大きいものは大きい数字、小さいものは小さい数字。別の作品ではかりにのった石がありましたので、どうやら重さを表しているらしいことはわかります。キログラムですね。
今回のテーマは石。石の産地である本島ならでは。庭全体から石と数字の集団を感じます。
「石が視力を失っていないように、盲人も視力を失っていない」。古い2回建ての木造家屋の1階は、このように天井から赤い紐がたらされて、石に結ばれている。畳やふすまは恐らく、数十年前のまま。
急な階段を登って、2階は天井から白い紐がたれてるだけ。2階の白い紐と1階の赤い紐はつながっているような印象。何を表現しているんだろう。石が視力を失っていない?盲人?・・・・・うーむ。
ここで興味深かったのは破れっぱなしのふすま。下地の色あせた新聞が・・・・古い。
どこかに日付がないか・・・・あった。昭和33年11月17日。うわぁ、私が生まれる6年前の新聞。
64年前の時間を超えてタイムスリップしそうです。その時代からここにあったんですね。いやいや作品の着眼点はそこじゃないって。(笑
「レボリューション/ワールドラインズ」木造家屋の部屋いっぱいに配置された、円形のパイプとそれに貫かれた石。四角いスペースと円形のもので空間を意識させているのか。そして節々にレイアウトされた石。うーむ。
そして、今回興味深かったのは、瀬戸芸の作品ではありませんが、本島の塩飽大工が100年前に建てた吉田邸。
ここは個人のお屋敷ですので、パスポートとは別に400円の観覧料が必要です。その価値は十分ありますよ。
元々は船を作っていた船大工の塩飽大工は、木造の船が必要なくなった近代になって、お宮を作る宮大工になったそうです。こんぴらさんを始め、あちこちの神社やお寺に塩飽大工の匠の技が残っています。Whimに貼ってあった写真の数々がそれです。
まず、家の基礎が本島の石を使ってしっかり作られている。基礎がしっかりしてるから、その上の木材も腐らず、まっすぐに建っている。加えて加工精度の緻密さ。柱の角の組み合わせと緩みない正確さ。100年前の建物とは思えない。曲がりも反りもなく美しい直角が保たれています。こんな古い建物でここまで精度良く作られて残っているものは見たことがありません。塩飽大工恐るべし。こんなものが瀬戸内海の小島に残っているとは。
庭の松も美しい。枯山水。日本人の心ですね。和の造りは心が和みます。まさに「和」。
こんな細かい作りが100年前のもの・・・・昔の人はすごいですねぇ。今では希少価値の当時高価だった大正ガラスもふんだんに使われています。よほどの手間と財をかけて作ったお屋敷のようです。
そして、写真撮影はできませんでしたが・・・・このお屋敷の蔵に眠っていた掛け軸。あの有名なお宝鑑定団に出て、本人評価額200万円が・・・・1500万円。伊藤若冲の鶏図。
お宝鑑定団「伊藤若冲の鶏双幅図」
これがそうですね。安河内さんが絶賛したと言ってました。掛け軸はハズレが多いという中で、見事本物が蔵の中にあったというのは・・・・本物の名家ですね。お屋敷のご主人、吉田さんが屋敷の中のいろいろなものを丁寧に説明してくれました。
この中庭もいいですねぇ。南向きで陽があたる。100年前なのにセンスいいですねぇ。
静かでねぇ。家の中をいい風が抜けていくんですよねぇ。ゆったりとした時間が流れていく。ここで昼寝したいものです。
この鼓の形をした照明なんかも当時のものです。ハイカラですねぇ。奥さんもいらっしゃって、いろいろお話を聞かせていただきました。他にも貴重なお宝はたくさんありましたよ。一見の価値はありますが、ご主人の都合でお屋敷がいつも開いてるわけではありませんので、見られれば幸運です。
いいものを見せてもらいましたね。では・・・・他の作品を。それにしても海はきれいですねぇ。
向こうの砂浜の上に作品が並んでいます。「水の下の空」。
船の骨組みしかないのですが、船体を網で表現する。喫水の下は赤い網で。船に見えますよね。なぜに水の下の空なのか・・・・
「善根湯」塩飽大工の作品です。
「産屋から、殯屋から」
この赤いてるてる坊主・・・・ちょっと気持ち悪い・・・・そう感じることが私の直感。細い通路の先の暗い中にも作品があります。感じることが大事。
塩飽勤番所跡も重要な歴史建造物です。若き大岡越前が勤めたそうです。
本島、初めてきましたが、塩飽水軍のすごさをまざまざと見せつけられた感じですね。過去にこの地がこんなにすごい場所だったとは・・・・香川県人は知っておくべきですね。瀬戸芸・・・・香川県人にとっても地元を知るいい機会となりました。
瀬戸芸はいよいよ残すとこ1週間。11月6日(日)で2022年の開催は幕を閉じます。3年後までまた見られないので、今週が最後のチャンスです。
この通りだけ見てると、ほんとに小京都のようです。瀬戸内海の真ん中に浮かぶ本島に、こんな通りが100年以上前からあったというのは驚きです。今回の訪問の一番の収穫ですね。
キンモクセイが満開で、この周辺、あの甘い香りがいっぱいです。
アサギマダラ飛来地という看板。なんだろう?と思って入ってみたら・・・・
アサギマダラが十数匹舞っていました。なんでここに?・・・・・島の人がアサギマダラをよびこむために、フジバカマを植えたそうです。渡り鳥のように何千キロも旅をする蝶らしく、本島にも来るようになったそうです。アサギ色(青緑色)のこぶりなアゲハチョウのような蝶です。
こんな蝶は意識してなかったので、過去に見た記憶がないですが・・・・きれいな蝶ですね。香港まで飛んで行った例もあるそうですよ。
「SETOUCHI STONE LAB」。デジタルと伝統。中庭にレイアウトさえれた、様々な大きさ、カタチの石に何やら数字が刻み込まれていて、それが何か規則性があるような・・・・すべて違う数字が刻まれています。3.850, 2.685・・・・・大きいものは大きい数字、小さいものは小さい数字。別の作品ではかりにのった石がありましたので、どうやら重さを表しているらしいことはわかります。キログラムですね。
今回のテーマは石。石の産地である本島ならでは。庭全体から石と数字の集団を感じます。
「石が視力を失っていないように、盲人も視力を失っていない」。古い2回建ての木造家屋の1階は、このように天井から赤い紐がたらされて、石に結ばれている。畳やふすまは恐らく、数十年前のまま。
急な階段を登って、2階は天井から白い紐がたれてるだけ。2階の白い紐と1階の赤い紐はつながっているような印象。何を表現しているんだろう。石が視力を失っていない?盲人?・・・・・うーむ。
ここで興味深かったのは破れっぱなしのふすま。下地の色あせた新聞が・・・・古い。
どこかに日付がないか・・・・あった。昭和33年11月17日。うわぁ、私が生まれる6年前の新聞。
64年前の時間を超えてタイムスリップしそうです。その時代からここにあったんですね。いやいや作品の着眼点はそこじゃないって。(笑
「レボリューション/ワールドラインズ」木造家屋の部屋いっぱいに配置された、円形のパイプとそれに貫かれた石。四角いスペースと円形のもので空間を意識させているのか。そして節々にレイアウトされた石。うーむ。
そして、今回興味深かったのは、瀬戸芸の作品ではありませんが、本島の塩飽大工が100年前に建てた吉田邸。
ここは個人のお屋敷ですので、パスポートとは別に400円の観覧料が必要です。その価値は十分ありますよ。
元々は船を作っていた船大工の塩飽大工は、木造の船が必要なくなった近代になって、お宮を作る宮大工になったそうです。こんぴらさんを始め、あちこちの神社やお寺に塩飽大工の匠の技が残っています。Whimに貼ってあった写真の数々がそれです。
まず、家の基礎が本島の石を使ってしっかり作られている。基礎がしっかりしてるから、その上の木材も腐らず、まっすぐに建っている。加えて加工精度の緻密さ。柱の角の組み合わせと緩みない正確さ。100年前の建物とは思えない。曲がりも反りもなく美しい直角が保たれています。こんな古い建物でここまで精度良く作られて残っているものは見たことがありません。塩飽大工恐るべし。こんなものが瀬戸内海の小島に残っているとは。
庭の松も美しい。枯山水。日本人の心ですね。和の造りは心が和みます。まさに「和」。
こんな細かい作りが100年前のもの・・・・昔の人はすごいですねぇ。今では希少価値の当時高価だった大正ガラスもふんだんに使われています。よほどの手間と財をかけて作ったお屋敷のようです。
そして、写真撮影はできませんでしたが・・・・このお屋敷の蔵に眠っていた掛け軸。あの有名なお宝鑑定団に出て、本人評価額200万円が・・・・1500万円。伊藤若冲の鶏図。
お宝鑑定団「伊藤若冲の鶏双幅図」
これがそうですね。安河内さんが絶賛したと言ってました。掛け軸はハズレが多いという中で、見事本物が蔵の中にあったというのは・・・・本物の名家ですね。お屋敷のご主人、吉田さんが屋敷の中のいろいろなものを丁寧に説明してくれました。
この中庭もいいですねぇ。南向きで陽があたる。100年前なのにセンスいいですねぇ。
静かでねぇ。家の中をいい風が抜けていくんですよねぇ。ゆったりとした時間が流れていく。ここで昼寝したいものです。
この鼓の形をした照明なんかも当時のものです。ハイカラですねぇ。奥さんもいらっしゃって、いろいろお話を聞かせていただきました。他にも貴重なお宝はたくさんありましたよ。一見の価値はありますが、ご主人の都合でお屋敷がいつも開いてるわけではありませんので、見られれば幸運です。
いいものを見せてもらいましたね。では・・・・他の作品を。それにしても海はきれいですねぇ。
向こうの砂浜の上に作品が並んでいます。「水の下の空」。
船の骨組みしかないのですが、船体を網で表現する。喫水の下は赤い網で。船に見えますよね。なぜに水の下の空なのか・・・・
「善根湯」塩飽大工の作品です。
「産屋から、殯屋から」
この赤いてるてる坊主・・・・ちょっと気持ち悪い・・・・そう感じることが私の直感。細い通路の先の暗い中にも作品があります。感じることが大事。
塩飽勤番所跡も重要な歴史建造物です。若き大岡越前が勤めたそうです。
本島、初めてきましたが、塩飽水軍のすごさをまざまざと見せつけられた感じですね。過去にこの地がこんなにすごい場所だったとは・・・・香川県人は知っておくべきですね。瀬戸芸・・・・香川県人にとっても地元を知るいい機会となりました。
瀬戸芸はいよいよ残すとこ1週間。11月6日(日)で2022年の開催は幕を閉じます。3年後までまた見られないので、今週が最後のチャンスです。
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