映画サロン vol.96 【ネタバレ 注意!】「機動戦士ガンダム ククルスドアンの島」
映画ネタです。シン・ウルトラマン、トップガン・マーベリックときて、ガンダム・ククルスドアンの島。
さぁ、この3本を観た人はどれだけいるでしょうか。私と同じ57歳前後の人には3球ストライクの映画です。(笑
ククルスドアンの島は年齢関係なし、宇宙戦艦ヤマト同様、一律1900円の料金設定です。この設定って・・・・最近、映画館は割引で見られるので・・・・例えば、イオンシネマ では55歳以上なら1100円で見られます。シン・ウルトラマンもトップガンも1100円でした。が、ガンダムは1900円・・・・見たい人だけ見に来いって感じですね。これ、子供は割高になるので来ないですね。そういう映画です。
「閃光のハサウェイ」の次に上映のガンダム。TVシリーズのファーストガンダムの15話を劇場版に仕立てました。30分のネタをどうやって2時間にするのか・・・・・ただし、今回のガンダムは2015年から2018年までOVAでリリースされた安彦良和総監督の「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」の時系列っぽいです。
TVシリーズ15話は・・・・どこにでも挿入できるようにと話の前後のつながりがなくても大丈夫なように独立した話になってます。あらすじは・・・・海に浮かぶ孤島で連邦軍機が遭難。アムロがコアファイターで捜索にあたると、そこにはジオンのザクがいてアムロもまた不時着。しかしなぜか怪我の手当てをされて、ジオンの軍服の男、ククルスドアンはアムロとは戦いたくないと言う。ククルスドアンはロランと3人の子供と一緒に生活していたが、実はククルスドアンが戦闘で子供達の両親を殺してしまい、軍部からその子供たちも殺せという命令を聞けず脱走し、この島に隠れ住んでいた・・・・というエピソード。
これを2時間の劇場版にするには・・・・・TV版では名も無い無人島でしたが、実在するスペイン沖のカナリア諸島のアレグランサ島になりました。連邦軍司令部よりホワイトベースにこの島のジオン残置諜者掃討任務の命令がくだり、アムロはガンダム、カイはガンキャノンで調査にあたります。アムロはドアンのザクに遭遇、俊敏な動きのドアンザクに翻弄され、ガンダムは崖から転落。消息を断ちます。カイは島に住む子供達に遭遇。アムロを見つけることができず、一時撤退します。
ドアン達の家で気がついたアムロは、ドアンに隠されたガンダムを探しつつ、20人の子供達とドアンの共同生活をすることになってしまいます・・・・・水を汲みに行ったり、畑を耕したり、家を直したり・・・・・シンエヴァンゲリオンの第三村で生活するアヤナミを見てた記憶がふとデジャブのように浮かびます。「ガンダムを見にきた私はいったい何を見せられてるんだろう?」
ほのぼのするような子供達とドアンの無人島での自給自足生活を見せられても・・・・・ホワイトベースはレビル将軍よりベルファストで合流し、オデッサでの戦闘に加わるよう命令が降ります。あぁ、ウクライナのオデッサですよ。行方不明のアムロを探している時間はない・・・・というか、アムロよりも連邦軍の試作機ガンダムは置いていけないでしょう?と、ここでスレッガーが登場。
あれ?スレッガーはこのエピソードの時はいないんじゃ?リュウがいたはず・・・・・THE ORIGINではここの順番が変わってますね。地球に降りたホワイトベースはランバラルとの戦闘の後、ジャブローに行ってます。ランバラルの白兵戦でリュウは被弾し、ガンダムを狙うハモンのマゼラトップに自ら特攻、死んでしまいます。スレッガーはリュウの補充兵としてジャブローから加わります。TV版の「ククルスドアンの島」はランバラルの前でしたが、THE ORIGINではジャブローからオデッサへ向かう途中の設定となっています。
スレッガーがジムでセイラのコアブースターに乗ってアムロの探索を提案。カイとハヤトもガンキャノンで参加。一方、ジオン軍は・・・・マ・クベ登場。部下のウラガンも出てきますね。 マ・クベの壺も登場。
この左のヤツね。(笑)いいものであります。
マ・クベは連邦軍のゴップに「オデッサに侵攻するなら核ミサイルを撃つぞ。南極条約なんて関係ねぇ。」とロシアのプーチンみたいに脅しますが・・・・肝心の核ミサイルは・・・・・実はククルスドアンがいるアレグランサ島にあります。褐色のサザンクロス隊・・・・・黒い三連星みたいな色と星の名前のチーム。ククルスドアンはそのチームの隊長でした。ドアンが脱走し抜けた後のサザンクロス隊が核ミサイル確認のため、アレグランサ島へ派遣されます。サザンクロス隊の5機の高機動ザクは、裏切り者のドアンのザクに襲いかかります。
が、かつての隊長ドアンにはかなわず、またガンダムとの共闘もあって5機撃退。高機動ザクなのに・・・・・無印ザクにやられた。しかし核ミサイルは発射され成層圏に到達、複数の弾頭がヨーロッパ各地へ落とされる・・・・はずが、自爆してしまいました。
「パリは燃えているか?」
ヒトラーの名言ですよね?パリは燃えていない・・・・核ミサイル攻撃は失敗です・・・・・パリは歴史的建造物がたくさん残っている・・・・我が軍にもそんな文化的な人間がいたのか・・・・とあきらめの笑い声をあげてマ・クベは司令室を後にしました。後日、オデッサ作戦で会いましょう。
ジオンの追撃を撃退したククルスドアン。アムロたちはレビル将軍と合流するために島を離れますが・・・・去り際にドアンのザクを海に沈めます。「あなたの身体に染み付いた戦争の匂いを消させてください」「アムロ君はいいことをしたんだよ」の決めゼリフで終了。TV版を見て結末は知っていましたので・・・・感動は薄いです。TV版ではドアンがザクと戦うときに「この子達の両親を殺したのはこの私だ!」と激白するところにドアンの誠実さが感じられるのですが、今回のドアンは・・・・なんかちょっと歯切れが悪い。連邦の白い悪魔のパイロットが若いパイロットだったことに衝撃を受けたのか・・・・
あとは・・・THE ORIJGINは漫画版は1年戦争の最初から最後までと、途中でその前日譚として、ジオン公国誕生までをシャア、セイラ兄妹目線で描き、赤い彗星となるまでがアニメ化されたので、これが唯一の1年戦争のORIGIN版リメイクともいえるでしょう。赤い彗星までの業績が良ければ、その後も1年戦争のORIGN版アニメとして継続もあったようですが、そうはならず安彦ガンダムの映像化は今回が最後のようです。
今回の劇中の回想シーンで「甘ったれるな!」とブライトに殴られるアムロや、ジオン兵を撃ったアムロを「そんな子に育てた覚えはない」となじる母、ガンダム開発に夢中で家庭をかえりみなかった父・・・・も出てきます。
時折出てくるホワイトベースのクルーたち・・・・ブライト、ミライ、セイラ、カイ、スレッガー、フラウ・・・・TV版とは年齢設定も変わり、性格も変わっています。声優さんで変わってないのは・・・・アムロの古谷徹と・・・・カイの古川登志夫の二人だけですね。この二人も古いよねぇ・・・・星飛雄馬と諸星あたる・・・・あとはララァの藩恵子の娘の藩めぐみがセイラさんのCVやってるんだもんなぁ・・・・時代を感じます。
今回の見所は・・・・モビルスーツ戦・・・・スレッガーのジムもいいですねぇ。特にセイラのコアブースターに乗せられての空中戦とあとはジム頭が飛ぶところ・・・08小隊のカレンがダブりました。褐色のサザンクロス隊ザクもいい。両手にビームサーベルのガンダム無双もいいし、TV版の作画崩壊ザクを鼻の長いJ型にしてドアンザクにしてしまったのもいい。もともとモビルスーツ戦が乏しかったエピソードなので、あまり期待はしてなかったですが、予想外にモビルスーツは出てきてよかったです。
この作品は・・・・ファーストガンダム見てない人が見ても面白くないだろうなぁ・・・・そういう意味ではコアなガンダムファン層対象でしょうねぇ。
私にとっては・・・・THE ORIGIN、ガンダムエースで最初は漫画を読んでたのですが、シャア・セイラ編になってからはアニ版で見てそのままになってましたので、漫画版のガルマ編から読み始めるきっかけになりました。漫画版は一応、1年戦争終結まで終わってるのね。ということで、今日ブックオフで3巻と4巻買ってきました。(笑)
さて・・・次のガンダムは・・・・10月から「水星の魔女」なるアナザーガンダムシリーズが始まるのと、「閃光のハサウェイ」の第二作は・・・来年かなぁ。鉄血のオルフェンズの続編もあるようですね。ガンダムはまだまだ増殖しそうです。
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