映画サロン vol.94 【ネタバレ注意】「シン・ウルトラマン」

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映画ネタです。ここんとこアニメの映画が多かったものですから・・・・閃光のハサウェイ、エヴァンゲリオン、鬼滅の刃、宇宙戦艦ヤマト・・・・とはいえ、今回は特撮。ん?CGだから純粋な特撮じゃないのか?

シン・エヴァンゲリオン、シン・ゴジラに続く庵野監督のシン?シリーズ。ちなみに来年はシン・仮面ライダーの上映が予定されています。

ウルトラマン・・・・私は昭和39年、1964年生まれですので・・・・残念ながら1966年から1967年放送のウルトラマンは・・・・3歳の私がリアルタイムで見た記憶はありません。すべて再放送です。リアルタイムでテレビ放送を見た記憶があるのは・・・・かすかに夜にウルトラセブンを見ていた、桃山会館へ行った時に「ウルトラセブン見る」といって、両親が漁師仲間や親戚と宴会やってる横で私や他の子供たちとテレビでウルトラセブンを見てたのをかすかに覚えてます。もちろん再放送では何度か見ましたけどね。明確に記憶にあるのは「帰ってきたウルトラマン」からです。マットアローのプラモデルを吉田文具店に予約して買いましたもんね。

ただ、小学生の頃に怪獣図鑑を持っていて、それにウルトラQからの怪獣が載っていましたので、ウルトラQを見ていないけど、怪獣図鑑に穴が開くくらい目を通していましたので知っていました。

さて、シン・ウルトラマン本編。以下、ネタバレ ですので、読みたくない人はここまでで。









まぁ、期待はしていなかったのですが・・・・結論から言うと、いい意味で「庵野やりやがったな!」って感じで面白かったです。シン・ゴジラ同様、オリジナルとは全く別のストーリー、切り口で庵野監督らしくリメイクされてます。今回のシン・ウルトラマンもオリジナルの「科特隊」ではなく「禍特対」、「怪獣」ではなく「禍威獣」と呼称されています。

冒頭のタイトル・・・・おなじみの絵の具がグルグルの状態から回って・・・・「ウルトラQ」かと思いきや「シン・ゴジラ」?「え?」と思ったらタイトル破って「シン・ウルトラマン 空想特撮映画」となります。そう、ウルトラマンのオリジナルは、日本に巨大怪獣が出現するウルトラQシリーズからの巨大怪獣を撃退するウルトラマン追加だったのですが、今回はシン・ゴジラの世界からのつながり・・・・・でしょうか。

科特隊ならぬ禍特対。オリジナルのような怪獣迎撃の部隊ではなく、おなじみのジェットビートルで出撃して怪獣を攻撃する・・・・ということもしない。武器による攻撃はあくまで自衛隊、または政府からアメリカ政府に依頼して米軍による攻撃。禍特対はあくまで禍威獣を撃退するための指揮を執る・・・・そう、エヴァンゲリオンで使徒を攻撃する時に最初は戦略自衛隊が攻撃していて、政府からの指示で指揮権をNERVに移行する・・・・のように、指揮権を禍特対に移行する・・・って感じです。

禍特対・・・隊長ではなく班長以下、4人という少数精鋭。政府のビルの事務所の一室が禍特対本部という・・・基本、禍威獣の分析をして効果的な撃退法を指示するプロファイラーのような政府の組織のようである。だから、禍威獣出現しても椅子に座ってパソコンに向かってキーボード叩いてるという・・・・現場に行ってもみんな同じくパソコンに向かってる・・・・不思議なことに周囲にいるたくさんの自衛隊の皆さんも同じようにパソコンに向かってる・・・・いやいや、怪獣に向かって攻撃してたアラシやイデのようにスパイダーショットとかで攻撃せんのかい?(笑 それなら現場にいる意味ないんだけど。なんかこの辺の雰囲気や政府関係者のお役所的なやりとりがシン・ゴジラ的なものを感じさせます。

怪獣・・・・いっぱい出てきますね。なんかエヴァの使徒のように次から次へ。そして・・・・偶然ですけど、先日の讃岐変電所の時に「ネロンガが出そうな・・・・」と書きましたが、そのネロンガが変電所に出てきましたね。思わず「ビンゴ!」です。過去に出現した怪獣が紹介されますが・・・・ゴメス、マンモスフラワー、ペギラ、ラルゲユウス(昔はラルゲリウスって言ってなかったか?)、カイゲル(これはゴーガじゃない?)、そしてパゴスが出てきて、それぞれ撃退してきた・・・・・らしい。パゴス・・・・顔が使徒っぽくなってた。

次のネロンガ出現の時に突然、空から赤い火の玉。ウルトラマン登場。オリジナルは地球に逃げてきたベムラーを追いかけてきたのですが、ウルトラマン(カラータイマーがない。エネルギーなくなると赤い模様が緑色になる)・・・地球に来たのは複数の怪獣出現を察知したためだったか。途中で禍特対の分析で、パゴス、ネロンガ、ガボラの胴体部分はほぼ同じで、頭の部分がパーツのように組み替えられているような・・・・と言ってますが、当時の怪獣の着ぐるみも使い回しで改造してたんですよね。パゴス、ネロンガ、ガボラと着ぐるみも改造されてました。ガマクジラもスカイドンになったんだっけ?

そのことも後に出てくるメフィラスが説明しますが、それらの怪獣は、地球に埋めていた害虫駆除の装置だった的な・・・・人類は地球を破壊する害虫になりそうなので、その害虫駆除装置の怪獣が起動した・・・・あぁ、現在の人類にシンクロするな。メフィラスの前にザラブ星人が外星人として出てきます。日本語を話して政府と交渉する・・・・この政府と交渉するくだりがシン・ゴジラ的。ここでウルトラマンの正体がハヤタ・・・・ではなく、斎藤工演じる神永であることがネットに流出して全世界に知れ渡ってしまいます。これがオリジナルとは明らかにちがうところ。神永は発見次第確保との指令が各組織に出されます。

神永はザラブ星人に囚われ・・・・ザラブ星人、オリジナルでにせウルトラマンに変身しますが、今回もにせウルトラマンです。さすがにオリジナルのようなとんがり目の明らかに違うだろ?というレベルのにせウルトラマンではなくて、精巧なにせウルトラマン・・・・間違い探し・・・・かすかに目が楕円ではなく、多角形だったような。そのにせウルトラマンでウルトラマンは地球人にとって敵であるから、ザラブ星人と協定を結べと迫ります。

囚われの神永が脱出し、本物のウルトラマン登場で、あっけなくザラブ星人が騙しているのがバレましたが・・・・メフィラスは交渉上手でしたね。そのザラブでの失敗を利用しました。

ウルトラマンが使うベータカプセル。あれで巨大化するんだ・・・・ということを長澤まさみで証明しますね。オリジナルでもフジ隊員が巨大化します。制服姿で巨大化してビルをぶっ壊す長澤まさみ・・・・いいですね。(笑 庵野さん、やりたかったんでしょうねぇ。いろんなカットやアングルがもうエヴァとダブってしまって・・・・

メフィラスはそのベータカプセルの技術を提供する見返りとして、地球人の上位概念になることを認めろと・・・・奴隷になることと変わりないですが、平和的に地球征服することで合意文書を日本政府との間で取り交わしてしまいます。メフィラス・・・・人間の姿は山本耕史が演じますが・・・・メフィラスとウルトラマンの対談・・・・・居酒屋で日本酒飲みながらってのが最高です。(笑 エヴァのシーンやメトロン星人が思い浮かびました。メフィラスはウルトラマンにも地球人管理の協力を依頼しますが、ウルトラマンは拒否。未熟で不完全だけど地球人の意思を守っていきたい・・・・・子供をかばって自分の命を落とした神永にウルトラマンは心を動かされたようです。

神永はこのままでは人間はメフィラスの奴隷になってしまう・・・・禍特対のメンバーにメフィラスと人類の密約を決裂させるためにベータボックスを奪う計画をします。密約を結ぼうとする政府に反する行為ですが・・・・なんかこれもどっかで見たような・・・・・ベータボックスを奪取し、ウルトラマンはメフィラスと対峙・・・・このCG、エヴァ初号機と13号機の戦いがダブってしょうがない。(笑 戦いの最中、ウルトラマンの肩越しに別のウルトラマンの姿。それを見たメフィラスは「やっかいなものが来た」と戦いを放棄して逃げていきます。

さて、現れた別のウルトラマンとは・・・・・これがゾフィ。え?なんでゾフィ?ゾフィはゼットンと戦って命を落としたウルトラマンを助けにくるんだよね?・・・・・今回は逆です。光の国・・・・ではない光の星から来たゾフィは、メフィラスがベータカプセルの技術によって巨大化し生物兵器となることを知ってしまった地球人は宇宙にとって危険な存在だから、脅威になる前に抹殺する・・・・それが光の星の決定だ。だから星ごと滅ぼす最終兵器ゼットンを起動する。・・・・・え?ゾフィが地球を滅ぼすために使う兵器がゼットン?どういうこと?

ゼットン・・・・1兆度の炎を吐く・・・・と図鑑で覚えた記憶が頭の中で蘇ります。1テラケルビン、1兆度の炎が太陽系ごと消滅させるだろう・・・・またまた「ビンゴ!」ですね。上空に浮かぶゼットン。地球が滅びるのは確実です。禍特対のオタク、滝も「人類にはなす術もない神頼み、あとはウルトラマンにお願いします。」と神永に捨て台詞を吐いて去っていきます。

かなわないことを知りつつ、ゼットンに一人立ち向かうウルトラマン・・・・・ゼットン・・・・ウルトラマンがムシくらいに見える・・・・めちゃくちゃ巨大な兵器です。かなうわけもなく、ウルトラマン敗北。地球滅亡までのカウントダウンは進みます。神永が最後の希望として禍特対に残したベータカプセルの技術データ。これを滝が解読し、全世界の有識者とオンラインでゼットン対策を検討、結果ウルトラマンが2回ベータカプセル起動し、ゼットンをなぐれば、並行世界に飛ばせる・・・・ただし、ウルトラマンもいっしょに並行世界に飛ばされる・・・・やるしかない。ウルトラマンはゼットンへ向かい・・・ベータカプセル起動。並行宇宙に飛ばされそうになりますが・・・・ゾフィに助けられます。

自分の命を捨ててまで人間を守るのか・・・そんなに人間が好きになったのか・・・・今回のシン・ウルトラマンのテーマはこの一言に尽きるでしょうね。オリジナルの神永はネロンガ出現の時に森の中で死んでいます。その後の神永は神永の姿をしたウルトラマンだったのです。だから斎藤工は終始無表情だったのです。「私は人間になりたい」神永に同化し、命を与えることでオリジナルの神永も生き返る・・・・ウルトラマンは人間を見守っていきたい・・・・で地球に残る。ラストは戻れないはずだったウルトラマン・・・・神永が地上に戻って、長澤まさみの「おかえりなさい」でエンディング。うーん、いい終わり方・・・・であり、続編も作ろうと思えば作れる終わり方でした。(笑

政府の人間として最後に出てきた竹之内豊は・・・・シン・ゴジラの時の政府の人間と同一人物・・・・でしょうね。石原さとみも出ればよかったのに・・・・・ということで、総合評価は80点ですかね。もっとダメダメかと思いましたが、予想よりも面白かったです。ウルトラマンを知らなくても楽しめるし、ウルトラマン、ウルトラQ 、エヴァンゲリオン、シン・ゴジラを観ていれば4倍面白い作品です。

この記事へのコメント

けいつー
2022年05月16日 17:28
訂正・・・・監督は樋口さんで、企画・脚本が庵野さんね。

ついつい、いつものクセで「庵野監督」って言ってしまいます。
こりす
2022年05月18日 14:19
けいつ~さ~~ん涙 全然ブログと関係ないコメントです。ごめんなさい。昔はウエブリ同士のメールみたいな?の、あったんですけど、いつの間にかなくなっちゃってて、ここに書いちゃいます…連絡行ってるかとは思うんですけど訃報ショックです涙
けいつー
2022年05月21日 12:56
>こりすさま
もしや・・・と思い、facebookを先ほど見て知りました。
達さんが亡くなったんですね・・・・先月までfacebookにグルメネタが載ってたので、元気でおられると思ってましたが・・・残念です。

実際に会ったのは、香港と松本の2回だけでしたが、ブログやfacebookでは本当によくコメントを交し合った、私個人のことをよく理解する一番のネット友達でした。(友達と言ってしまうのはおこがましいですが・・・大先輩です)

日本カツカレー協会名誉理事・・・ご冥福をお祈ります。

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