映画サロン vol.93 【ネタバレ 注意】「ストレイ・ドッグ」

IMG_3459.jpeg
映画ネタです。
ここんとこ映画サロンはヤマトやガンダム・・・アニメが多かったですが・・・・あ、最近では社会現象にまで発展した「鬼滅の刃 無限列車編」も観ました。1年半前に深夜枠でやってた地上波のアニメで観ていた私は、「つづきは劇場で」の放送終了に唖然としましたが、これが最近の映画興業のやり方になってますね。新型コロナのおかげで、新作映画の上映、製作が滞っています。こういう時こそ、映画館を助けるために観に行くべきですね。幸か不幸か、今の映画館は感染対策もされていますし、観客もそんなに多くありません。(鬼滅の刃は例外で、すごい人の数でしたが・・・)

シン・エヴァンゲリオン劇場版完結編・・・本当なら去年の夏上映だったのが、1/23に延期になったけど、今回の非常事態宣言のおかげでまた延期になるんじゃないだろうな?エヴァは全世代じゃなくて一部の世代、一部のファンのみがハマってるだけなので、鬼滅の刃ほどの動員にはならないと思うから、そのままやってほしいなぁ。

さて、本題。1年ちょっと前に香川に引っ越してから、映画はシネコンと名作を選んで上映する小さい映画館のホールソレイユ で観ています。ホールソレイユは塩尻にあった東座と方針が似ていて、いい映画を上映してくれるので嬉しいです。映画サロンにアップできていませんが、何本か観ました。今回はお正月に観た「ストレイ・ドッグ」。主演はニコール・キッドマン。

ニコール・キッドマンといえば・・・・トム・クルーズの元奥さん・・・バットマンやムーラン・ルージュに出てた印象が強いですが、最近では女優だけじゃなく、映画の製作にも関わってるそうで・・・若い頃は人気の女優でしたかねぇ。と過去形にするのも可哀想ですが、私と歳もそんなにかわらないですから。

タイトルの「ストレイ・ドッグ」は邦題。原題は「Destroyer」。なんで変えるかなぁ。ストレイドッグって言葉自体も日本人はピンとこないでしょう?むかしストレイキャッツっていうバンドがいましたが、それで私は意味を知ってましたが、ストレイドッグは野良犬って意味ですね。

場所はロサンゼルス。ニコールキッドマン扮するエリンはロサンゼルス市警の刑事。エリンは黒革の上下で二日酔い、ヨレヨレの姿で殺人現場へやってきます。現場にあった紫の染料に染まった紙幣を見たエリンは「犯人を知っている」と現場を立ち去ります。

17年前、同僚のクリスと潜入捜査をしていたエリンは、サイラスがリーダーのグループと行動を共にします。酒を飲み、遊び・・・・やがて銀行強盗を計画し実行します。彼らと行動を共にするうちに、このまま刑事として生活しても暮らし向きはよくならない。強奪する金額に目がくらんだエリンは、ペアで潜入するクリスと本当に恋仲になってしまい、強奪が成功したらこのまま二人で逃げようと持ちかけます。クリスも彼女の提案を受け入れますが「状況が変われば中止する」と、刑事らしい言葉を口にします。

銀行強盗当日、計画通り事は進み、札束を強奪。銀行から逃げようとするサイラスが持つバッグが紫色の煙とともに炸裂しました。銀行強盗追跡用の染料。これに汚れた紙幣は、ひと目で強奪紙幣とわかるので使えません。「追跡用の染料は入れてないだろな?」そう言って札束を銀行員に詰めさせたサイラスは銀行へ引き返します。

これを見たクリスはエリンに「計画は中止だ!サイラスを止める!」と言ってサイラスを追いかけますが、エリンは逃亡用の車の運転席で茫然としています。銀行員を射殺しに戻ったサイラスを逮捕しようと戻ったクリスに、サイラスは潜入捜査の刑事だったことを気づかせます。エリンの目の前でクリスは殺され、エリンは強奪した金の一部を持って車で逃亡します。強奪した金を隠し、犯人逮捕の応援を呼ぶエリン。しかしサイラスたちに逃げられてしまいます。

エリンはクリスの子供を身ごもっており、その後、娘シェルビーと暮らしますが、現在16歳になったシェルビーは、クリス死後に結婚し、別れた夫のイーサンと暮らしています。ある日、恋人ジェイと酒場にいたシェルビーを叱り、真面目な生活をさせるようイーサンに抗議しますが、シェルビーもイーサンも家族をかえりみなかったエリンの言う言葉に説得力を感じませんでした。

後日、倉庫の奥から引っ張り出したカバンは・・・・17年前に強奪した札束。しかし、その札束も追跡用の紫の染料に染まっていました。その中から染まっていない札束をかき集め・・・・1万ドルくらいだったか・・・・それをシェルビーの恋人ジェイに渡し、これで故郷へ帰ってシェルビーとは別れてもう会うな・・・・と懇願します。あまりのしつこさに嫌気がさし、ジェイはしぶしぶ金を受け取り、シェルビーと別れることを承諾します。

サイラスの居場所を探すエリン。サイラスにつながる女ペトラのしっぽをつかみ、彼女を尾行します。が、尾行追跡のうちにペトラは犬の顔のマスクをかぶり、同じように犬のマスクをかぶるサイラスたちと合流し、次の銀行強盗の現場に鉢合わせてしまいます。

「しまった。ヤツも金がつきたんだ。」

サイラス逮捕のために応援を呼ぶエリン。拳銃を持ち銀行へ彼らを追いかけます。通報を聞き駆けつけた警官とともに銃撃戦となりますが、裏口からサイラスは逃亡してしまいます。クルマでサイラスを追いかけるエリン。サイラスには逃げられてしまいますが、サイラスの女のペトラを捕まえ、まだ捕まっていないと思っている彼女の携帯に連絡してきたサイラスをおびき出すことに成功。サイラスとの争いの末、サイラスを射殺。積年の恨みを晴らしますが、彼女もまた傷ついており・・・・同僚に証拠品(自分の倉庫のカギも渡したか?)を渡し、事件の結末を告げ・・・・車の中で遠のいていく意識の中で、娘のシェルビーが怖かったと言っていた雪の中のキャンプ・・・・の光景を思い浮かべます。

遠くを見つめていた彼女の瞳から生気がなくなっていくのは・・・・彼女の死を表していたのでしょうか。

タイトルの「ストレイ・ドッグ」の野良犬は・・・・最後の銀行強盗でサイラスたちがかぶった犬のマスクからかなぁ・・・と思いますが、それよりは原題の「Destoroyer」の方が・・・・すべてを破壊するもの・・・主人公のエリンが壊したもの、離れていったもの・・・・クリスであり、娘のシェルビーであり、別れたイーサンであり、最後は自分をも壊してしまった。彼女に残ったものはなんだったのか・・・・17年前のあの事件からすべてはおかしくなった・・・・・精神的、肉体的にボロボロ、ヨレヨレになった女刑事エリンを見事に演じ切ったニコール・キッドマン。これがあの若く華やかだったニコール・キッドマンと同一人物なのか?と何度も見てしまいますが・・・・ほんとの老けて焦燥し切ったヨレヨレの顔立ち、姿になっています。

総合評価は80点かな。救いはないですが・・・・まぁ面白かったです。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

先月の人気記事!