映画サロン vol.67 「ダークナイト ライジング」(長文、ネタバレ注意)

画像映画館では見なかったので・・・・しばらく経った今頃、スカパーで見ました。ダークナイトの続編。バットマンビキンズと合わせて三部作の完結編。2012年に公開されてるから3年前ね。

ダークナイトはこの映画サロンでもレポートしてます。じゃ続きを見るか・・・と一応見たんですが、前作のダークナイトの内容を忘れてます。そりゃそうです。ダークナイト見たのが2008年だもん。7年前です。

それで、もう一回、同じくスカパーでやってたダークナイトを見て、話を思い出して・・・・・ついでに、その前作のバットマンビキンズもやってたので、それももう一回見て・・・・・それからまた、最後のダークナイトライジングを見ました。(笑)なので、ダークナイトライジングは2回見たわけね。

20世紀のバットマンは、アメコミのマンガがそのまま映画になったようなので、手放しでただ見てるだけで楽しかったですが、このダークナイト三部作はシリアスに作ってるので・・・・イメージが変わってますね。

ダークナイト・・・63点って酷評してますが、7年後にもう一回見たら・・・・いや、これ最初に見たときよりももっと深い・・・・面白いと思いました。私が理解しきれていなかったんだなぁと。マイケルキートンのバットマンの方が面白かった・・・・ってのは、私の誤りでした。(笑)ダークナイトの方がはるかに作品としては上ですね。90点に採点し直します。

ブルースが心を寄せていたレイチェルが、ハービー・デントの恋人になって・・・・バットマンの正体がブルースだというのを知っているレイチェルは、バットマンの仮面をぬぐことができれば、ブルースと一緒になれる・・・・レイチェルも心の奥ではブルースのことを愛していながら、ハービー・デントと交際している・・・・・ブルースもここの奥ではそう思っていましたが・・・・・レイチェルが残した手紙・・・・・衝撃でしたね。ハービー・デントを選んで結婚する道を選ぶ・・・とありました。

観客は主人公のブルースに感情移入してますから、自分がフラれたような衝撃を受けます。しかもその手紙を執事のアルフレッドは燃やしてしまうのです。ハービー・デントとレイチェルが死んだ後ですけどね。ブルースにはバットマンの仮面を脱ぎ捨てるまではレイチェルはブルースとは一緒になれない・・・・でも仮面を脱ぎ捨てれば一緒になれるという幻想を持たせたのでしょう。

その幻想を抱いて、ハービー・デントの死後、彼をゴッサムの英雄にし、人々に希望を与えるために彼らの罪を全てかぶって、逃走したバットマン。ゴードンの息子がポツリと言った「バットマンは悪くないのに・・・・」もう涙を誘いますね。

バットポッドに乗って警察から追われるバットマン・・・・・これがダークナイトのラストでした。

画像ダークナイトでは、ジョーカーが適役として登場し、最後はハービー・デントがトゥーフェイスとなってしまいますが、ダークナイトライジングでは、マスクをした屈強なベインが宿敵、そしてキャットウーマンが登場します。

アン・ハサウェイのキャットウーマン・・・めっちゃセクシー。身体のラインにピッタリな黒いスーツを身にまとって、軽やかに飛び回るさまは素晴らしい。敵か味方か・・・わからない・・・・・そこがまた魅力だったりするけど。

冒頭、前作のダークナイトでトゥーフェイスになってしまったハービー・デントは、バットマンが罪をかぶったおかげで、英雄としてゴッサム市民の記憶にとどめられ、デント法によりゴッサムの秩序は守られたか・・・のように見えた。真実を知りながらも一時の平和に複雑な心境のゴードン。

さて、全ての罪をかぶって消えてしまったバットマン。前回の戦いで身体も自由に動かすことができず、ブルースはつえをついての登場。ダークナイトからは8年の月日が流れている。レイチェルを失い・・・ひきこもりになってしまったブルース。屋敷のメイドとして登場するのがアンハサウェイ。めっちゃ可愛い。

アルフレッドに頼まれて、夕食を運ぶ不慣れなメイドだが・・・・その実は・・・・怪盗キャットウーマン。金庫の中の真珠のネックレスを盗み、金庫についていたブルースの指紋を持っていく・・・キャットウーマンは、個人の過去の犯罪履歴を消してくれるソフトが欲しかったわけで・・・

ウェイン産業の副社長、ダゲッドが、結託するマスクをした屈強な身体のベインは、ブルースがかつて挌闘技を修行、習得した影の組織シャドウの兄弟子だった。ベインは、ラーズ・アル・グールからは破門されてたわけで・・・そのベインがブルースの指紋を使ってやったのは・・・・ブルースの資産を先物取引で破産させること。これによりブルースはウェイン産業から追い出すこと。

そして地下でベインが密かに行っていたのは、フォックスが密かに開発していた、バットマンのための秘密兵器庫の制圧。さらに核融合炉の強奪。これを核爆弾に変えてゴッサムを葬り去るのがベインの目的である。


画像キャットウーマン・・・その名の通り、移り気な猫のように敵になったり、味方になったり・・・・気分次第で行動します。

「死にたくないのよ」

で、ベインにバットマンを売って・・・・下水が流れる地下でバットマンは、ベインにボコボコにされてしまい・・・・そのパワーの差を見せつけられてしまいます。ヒーローがボコボコにされるのは・・・・なんか興奮しますねぇ。下水で濡れたゴムっぽいバットマンのスーツが、妙に情けなく感じるのは私だけでしょうか・・・・

半分にちぎれたマスクを捨てられたことで、バットマンは葬り去られた絶望を感じさせます。ベインはあえて死に急いでるブルースを殺さず・・・・かつて自分が閉じ込められていた「奈落」と呼ばれる穴の底の刑務所に放り込みます。そこで死ねないことの苦しみを味わえと・・・・穴から空が見える・・・希望が見えるだけに、出られないことの苦しみを感じる・・・・ベインに痛めつけられた身体を養生しつつ、ブルースは穴からはいあがる努力を続け・・・・ほんとに這い上がってゴッサムに戻ってくるのだが・・・・

この先もストーリーは二転三転し・・・最後の黒幕は、ベインではなく・・・ブルースと裸の契りを結んだテイトだったってのはどんでん返しだったな・・・・結局、3回見ましたが・・・・ベインを殴り続けるバットマンの背後からブスーッとナイフを刺すまで・・・まったくそんな布石がないと思うんですよ。奈落から這い上がったたったひとりの子供がベインではなくテイトだった・・・・ラーズ・アル・グールの子供はベインと思ってたら、テイトだったってとこで「えっ?」とびっくりするのはわかりますが・・・・なんか強引すぎる気がする。

じゃ、今までテイトはそんなに長い間、父ラーズ・アル・グールの復讐をする機会を待って、表向きな慈善事業したり、経営者として君臨していたってことなんだろうか・・・・フォックスと一緒に捕まっていたのも・・・長すぎる気がするけど。ベインに指示を与えていた・・・・ような感じでもないし・・・

画像まぁ、でも奈落から帰ってきたブルースに、キャットウーマンは優しいね。アン・ハサウェイ・・・ちょっと好きになりました。(笑)このバットポッドに乗ってる姿はたまらんねぇ。

アルフレッドの妄想・・・・夕暮れのフィレンツェのカフェでリキュールを飲む習慣があって、ふと前を見るとあなたがいる。奥さんと子供がいて・・・私もあなたも声をかけない。幸せそうに見える・・・・・これがラストシーンに出てきましたね。フィレンツェのカフェにキャットウーマンとブルースが一緒にいました。アルフレッドがレイチェルの手紙を燃やした・・・とブルースに告白して・・・ハートブレイクだったブルースは一時的にテイトに心を許して・・・・また見事に裏切られ・・・・そこにまたキャットウーマンに心を許して・・・・たぶん、また裏切られると思います。(笑)

この種明かしは・・・・バットの自動操縦がブルースによってアップデートされて使えるようになってた・・・ということで、核爆弾は自動操縦で海の向こうへ運ばれたんだとわかります。

ゴッサムにはバットマンの銅像が建てられて、バットマンはゴッサムを守るために自らの命を犠牲に核爆弾を運んだ・・・・と、ゴッサム市民の胸に刻まれることで、ゴッサムに治安が保たれ、バットマンはもう永遠に現れない・・・・ブルースはこう心に誓ったのでしょう。

いい映画でしたね。ゴードンをサポートする警官、ブレイク。途中で刑事に抜擢されますが・・・・ラストシーンで警察を去る時に本名は・・・・ロビンと来ましたね。もしかしたら続編でバットマン&ロビンの可能性を残したのかもしれません。

総合評価は、ダークナイトと同じく90点。映画のタイトルの原題は「Dark knight rises」ですから、「闇の騎士は這い上がる」って意味でしょうね。ブルースのお父さんが言ってた

「人はなぜ落ちるのか・・・・這い上がるためだ」につながっていると思います。わかりやすいヒーローではない、ちょっと陰あるヒーローのバットマンのテーマのような気がします。

さて、バットマン・・・・これで終わりと思いましたが、2016年3月に「バットマンvsスーパーマン」が公開されるようです。「マン・オブ・スチール」の続編のようですが、サブタイトルが「ジャスティスの誕生」ときてますから、これはもうジャスティスリーグの始まりの作品でしょうね。アベンジャーズには出てこなかったマーベルではないヒーローはジャスティスリーグの方ででてきます。

バットマンは、ベンアフレックが演じるようです。ちょっと楽しみですね。

そのうちアベンジャーズとジャスティスリーグもいっしょになるんじゃ・・・・東映まんが祭りのアメリカ版?かな?

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