尊敬すべき中国バスガール(長文注意) @中国 深セン
鉄道があることはあるのだが、やはり中国の日常の足は車かバスである。私が普段いるホテルも幹線道路面しており、いろんな行き先のバスがひっきりなしに走っている。およそ10秒ごとにバスがバス停に着くような感じである。
外観は日本の市バスとだいたい同じなのであるが、違うのは料金の払い方。バスには車掌の女の子が乗っていて、その娘が乗客の行き先を聞いて料金を徴収するのだ。・・・で、この娘がスゴイ。大きな声で「次は○○に到着。降りる人はいませんか?」と大きな声で言うのはもちろん、常に乗ってきた乗客の誰と誰から徴収していないかを把握しているところである。
乗客が席にまばらの閑散な時はまだいい。これが満員状態の時なら、揺れるバスの中を人ごみをかきわけて、前と後ろの乗降口から入ったり降りたりする乗客から新しく乗ってきた乗客をみきわめ徴収するという離れ業をやってのければならないのだが、彼女たちは実に見事にこの仕事をやってのける。まぁ100%ではないだろうが、かなりの高確率で徴収していると思う。
もしも徴収できていないとすれば、満員状態で乗ってすぐ隣のバス停で降りれば、徴収されずに済むかもしれないが・・・そんなヤツもいないでしょう。いや、いるかな?
このバスガールとでも言おうか・・・小姐はだいたい20歳前後がほとんど・・・若いけど、みんな本当にしっかりしている。彼女たちの立ち姿は特に凛々しい。彼女たちのいでたちは、上着は首元にスカーフのような感じの襟のブラウス。それに動きやすいパンツ。チケットとお金が入ったポーチをたすきがけに首にかけている。
過酷なのはその労働環境。日本のバスとは違ってサスペンションが硬く、デコボコの多い路のおかげで時にジェットコースターのように激しく揺れる。彼女たちはその車内に1日中立つことを余儀なくされるのだが、その不安定な状況で実に効率的な立ち方をする。
両足を肩幅よりも少し広めに広げ、おしりを車内に立ってるポールとか座席におしつける。いわゆる安定した三点支持をつくるのだ。これによりどのような状況でもビクともせず、実に柔軟に体重移動をし、何でもないように平静を装って仕事をこなす。なかなか簡単にできることではないなぁ・・・と感心しながら私は彼女を見ていた。今回のバスガールは、小柄で細面。目鼻立ちがはっきりした結構可愛い女の子だった。髪の毛は後ろでお団子のようにまとめ、キュッとひきしまったような感じである。シンクロの小谷実可子に似てたかなぁ・・
・・・・と、突然、その彼女がバスの前方に座る40代くらいの男性客と激しい言い争いになった。聞いているとどうもその乗客が料金を払っていないという。バスは少し前まで満員状態だったのだが、一つ前の大きなバス停で半分以上が降りて車内はガラガラになったのだ。
彼女はその男性客に対して
「あなたは料金を払ってない。前から乗ってきた乗客で料金を払った乗客の中にあなたはいなかった」
「いや、私はお金を払ったよ。あなたの思い違いだ」
「いや、払ってない。払ったというならチケットを見せなさい」
「お金を払ったけど、あなたがチケットをくれなかったじゃないか」
「そんなことは絶対ない。料金を受け取ってチケットを渡さないのは不正行為だ。ほらあそこにも貼り紙がしてある。だから私は絶対そんなことはしていない。」
「ふざけるな。俺は払ったと言ったら払ったんだ。!」
と、その男は手に持っていたペットボトルを振り上げて、彼女になぐりかかる真似をした。が、彼女は少しもたじろがず、
「5元払いなさい!」
と強気な態度である。彼女が言うように、以前は乗客から料金を受け取って、チケットを渡さずそのまま自分のポケットに入れるバスガールがいたようなのだが、それを防ぐために今は乗客にも監視を促すような張り紙がしてある。さすが何でもアリな国である。(笑)
激しいバトルの末、彼女はほかに乗ってくる乗客をさばかなければならないので、バス後方に来て仕事をせざるをえなくなり、そのスキを見て男性客は逃げるように降りてしまった。まぁ、この状況から見てもその男は彼女の言うようにお金は払ってなかったでしょうね。
それからバス後方に来てすぐに
「他にまだ料金払ってない人はいるか!」と言ったら
「私、まだ払ってないです」
と、やはり40代くらいの男性がすぐに名乗りあげたので、まぁいい威嚇射撃というか、デモンストレーションにはなったのでしょうね。
実は、その前にもやはり初老の男性客に
「どこまで行くの?」
「○○まで・・・」
「そこまでだったら7元だ。」
「え?そんなに高いの?」
「7元と言ったら7元。はやく払って・・」
と、そのやりとりの間はまったく営業スマイルも何もない。ほとんどの乗客に対しては終始、必要最小限の言葉のやりとり。「謝謝」のひとこともあるわけがない。このへんが日本と違うところだろうか・・・。まぁ、それはそれで好きなんだけど。(笑)
だけど、その彼女、知人かなぁ・・・一人、若い男性客がいたのだが、その男と話すときだけは別人のように笑顔をふりまく。ほんとにこの仕事は大変だ・・・とか、今日はどこまで行くの?だとか・・(笑)その男はちょうど私の斜め前に座っていたので、その状況がとてもよくわかった。まぁ、そんなことでもないとやっていけないわな。(笑)
ちょっと変わった中国のバスガールの現状でした。
外観は日本の市バスとだいたい同じなのであるが、違うのは料金の払い方。バスには車掌の女の子が乗っていて、その娘が乗客の行き先を聞いて料金を徴収するのだ。・・・で、この娘がスゴイ。大きな声で「次は○○に到着。降りる人はいませんか?」と大きな声で言うのはもちろん、常に乗ってきた乗客の誰と誰から徴収していないかを把握しているところである。
乗客が席にまばらの閑散な時はまだいい。これが満員状態の時なら、揺れるバスの中を人ごみをかきわけて、前と後ろの乗降口から入ったり降りたりする乗客から新しく乗ってきた乗客をみきわめ徴収するという離れ業をやってのければならないのだが、彼女たちは実に見事にこの仕事をやってのける。まぁ100%ではないだろうが、かなりの高確率で徴収していると思う。
もしも徴収できていないとすれば、満員状態で乗ってすぐ隣のバス停で降りれば、徴収されずに済むかもしれないが・・・そんなヤツもいないでしょう。いや、いるかな?
このバスガールとでも言おうか・・・小姐はだいたい20歳前後がほとんど・・・若いけど、みんな本当にしっかりしている。彼女たちの立ち姿は特に凛々しい。彼女たちのいでたちは、上着は首元にスカーフのような感じの襟のブラウス。それに動きやすいパンツ。チケットとお金が入ったポーチをたすきがけに首にかけている。
過酷なのはその労働環境。日本のバスとは違ってサスペンションが硬く、デコボコの多い路のおかげで時にジェットコースターのように激しく揺れる。彼女たちはその車内に1日中立つことを余儀なくされるのだが、その不安定な状況で実に効率的な立ち方をする。
両足を肩幅よりも少し広めに広げ、おしりを車内に立ってるポールとか座席におしつける。いわゆる安定した三点支持をつくるのだ。これによりどのような状況でもビクともせず、実に柔軟に体重移動をし、何でもないように平静を装って仕事をこなす。なかなか簡単にできることではないなぁ・・・と感心しながら私は彼女を見ていた。今回のバスガールは、小柄で細面。目鼻立ちがはっきりした結構可愛い女の子だった。髪の毛は後ろでお団子のようにまとめ、キュッとひきしまったような感じである。シンクロの小谷実可子に似てたかなぁ・・
・・・・と、突然、その彼女がバスの前方に座る40代くらいの男性客と激しい言い争いになった。聞いているとどうもその乗客が料金を払っていないという。バスは少し前まで満員状態だったのだが、一つ前の大きなバス停で半分以上が降りて車内はガラガラになったのだ。
彼女はその男性客に対して
「あなたは料金を払ってない。前から乗ってきた乗客で料金を払った乗客の中にあなたはいなかった」
「いや、私はお金を払ったよ。あなたの思い違いだ」
「いや、払ってない。払ったというならチケットを見せなさい」
「お金を払ったけど、あなたがチケットをくれなかったじゃないか」
「そんなことは絶対ない。料金を受け取ってチケットを渡さないのは不正行為だ。ほらあそこにも貼り紙がしてある。だから私は絶対そんなことはしていない。」
「ふざけるな。俺は払ったと言ったら払ったんだ。!」
と、その男は手に持っていたペットボトルを振り上げて、彼女になぐりかかる真似をした。が、彼女は少しもたじろがず、
「5元払いなさい!」
と強気な態度である。彼女が言うように、以前は乗客から料金を受け取って、チケットを渡さずそのまま自分のポケットに入れるバスガールがいたようなのだが、それを防ぐために今は乗客にも監視を促すような張り紙がしてある。さすが何でもアリな国である。(笑)
激しいバトルの末、彼女はほかに乗ってくる乗客をさばかなければならないので、バス後方に来て仕事をせざるをえなくなり、そのスキを見て男性客は逃げるように降りてしまった。まぁ、この状況から見てもその男は彼女の言うようにお金は払ってなかったでしょうね。
それからバス後方に来てすぐに
「他にまだ料金払ってない人はいるか!」と言ったら
「私、まだ払ってないです」
と、やはり40代くらいの男性がすぐに名乗りあげたので、まぁいい威嚇射撃というか、デモンストレーションにはなったのでしょうね。
実は、その前にもやはり初老の男性客に
「どこまで行くの?」
「○○まで・・・」
「そこまでだったら7元だ。」
「え?そんなに高いの?」
「7元と言ったら7元。はやく払って・・」
と、そのやりとりの間はまったく営業スマイルも何もない。ほとんどの乗客に対しては終始、必要最小限の言葉のやりとり。「謝謝」のひとこともあるわけがない。このへんが日本と違うところだろうか・・・。まぁ、それはそれで好きなんだけど。(笑)
だけど、その彼女、知人かなぁ・・・一人、若い男性客がいたのだが、その男と話すときだけは別人のように笑顔をふりまく。ほんとにこの仕事は大変だ・・・とか、今日はどこまで行くの?だとか・・(笑)その男はちょうど私の斜め前に座っていたので、その状況がとてもよくわかった。まぁ、そんなことでもないとやっていけないわな。(笑)
ちょっと変わった中国のバスガールの現状でした。
この記事へのコメント
今回は写真はなしなのですね(*^_^*)
中国のバス事情、手に取るようによく分かります(^_-)-☆
日本も二昔前は運転手の他に車掌が乗っていた時代もあったけど、国民性の違いが如実に出ていて、そこまでリアルな状況は滅多に見られなかったと思います。
良識ある中国人民頑張れ!ってところですね。
バスの中の光景、子供の時の乗り合いバスでもこのようなことがあった気がします。
(戦前ではないですよ)それも応仁の乱(大爆)
私はとあるところへ向かっております。
今回は写真なしです。まぁ、たまにはこういった実況中継もいいんじゃないかと・・・写真もパッと見てわかりますが、やはり生々しい現場の状況を伝えた方が面白いかな。
国民性の違いが明らかでしょう?こんなことはいろんな場面で感じます。それにしてもこのバスガールの毅然とした態度は印象に残りました。
>おかみさん
ははは。渋谷のスクランブル交差点の第一歩の緊張ってたとえが面白いです。よくわかります。(笑)私のブログのコメントはそんな緊張はまったくいらないですよ。ホラ、そんなこと考えてるうちに達さんに先越されたでしょ?
私も車掌がいたころのバスの記憶はあるのですが、あまりバスで遠出する機会がなかったものですから、日本でのシチュエーションはわからないですね。もうほとんどのバスが「ワンマン」になってましたから。
私が思うに、文明は発達しても今の中国は30年前の日本の精神文化と同じくらいな気がします。
バスの料金の払い方は都心部と地方で違いますよね?というか、市内バスの一律料金と距離による料金の違いか・・・前乗り先払いか、後乗り後払いですよね?
実は中国のバスの中には、一律料金で乗るときにお金を料金箱に入れる・・・というシステムも存在します。
小姐、もしも間違っていたとしても、自分の意見は曲げずに貫き通すでしょうね。(笑)
以前、書いたこともあるのですが、その3点支持のひとつに私のヒザが使われたことがあります。
中国のバスは、前方に優先席が左右に5席?くらいあって、窓側を背に向かい合わせになってます。そこに座ってる時に、私のヒザにバスガールのオシリを押し付けられました。
なんというか・・・どういう意味なんだろう?と思いましたが、単にモノとして扱われたんでしょうね。日本では考えられない状況です。(笑)
それにしてもバスガールの能力と、徹底した厳しい姿勢はスゴイ!!
その子が日本の会社に入ったら、テキパキ働くんじゃないかなぁ…。
失礼だけど、安定雇用に安住し、向上心もなくなってしまった一部の日本人より、よほどいい働きをするんじゃないか?!
おっさんにひるまないあたり、なんだかカッコイイー!
(こういう仕事だと、スマイルなんかしてられないもんなー…。)
でもでも、こんなことしなくてもいいような乗車システムを確立してほしいものですね^^;
楽しんでいただけたようで光栄です。(笑)そうですね。中国の料理だけじゃなく、こういう類の話の方が面白いし、中国の実情がよくわかるんですよね?
これからもこういうエピソード・・実はたくさんあるので、書ける内容のものは書いていこうと思います。
そうです。バスガールは抜群の記憶力と芯の強さが魅力です。今までも何十台かバスに乗りましたが、ほとんどのバスガールがこのような感じです。ほんとカッコイイ!日本の会社で働いたなら強いでしょうねぇ。
たしかに、こんなことをしなくても済む課金システムが近い将来にはできそうですからね。とりあえず今、このバスでも一部suicaのようなカードが使えるようになりました。数年後にはバスガールもいなくなるかもしれませんね。
昭和30年代に「東京のバスガール」という歌が大ヒットしましたが、そのバスガールこそ、まさに、この中国のバスガールと、まったく同じ仕事をしている人たちだったのです。幼い頃の記憶に、その姿が鮮明に残ってます。
彼女たちは激しく揺れるバスの中で、両足をふんばって、器用にキップにハサミを入れていました。また、独特の節回しの美しい声で、次に停まる場所の案内などもしていました。当時の日本では、バスガールは、女性にとって一種憧れの職業だったようです。
今のように運転手一人ですべてを処理するシステムはその後に生まれたもので、当初、ワンマンバスと言われていました。
中国のバスガールが、日本のそれとまったく同じなので驚いてしまいました。
ただ、乗客の態度は・・・
やはり、中国ですね。(笑)
へぇ~!
そうなんですか。
スゴイバトルですね(^○^)
でも知人の男の人と話す彼女は・・・
きっとかわいかったんだろうなぁ
えぇ?旅人さん、そんなに年配じゃないと思ってたんですが、妙に昔のことに詳しいですねぇ。意外です。「東京のバスガール」という歌まであるとは・・・
バスガール・・・スチュワーデスとまではいかなくても、ひょっとしたら彼女たちの憧れの職業かもしれません。(笑)機会があれば聞いてみたいです。
>りっちゃん
バトルはスゴかったです。その男は彼女に3回殴りかかろうとしました。おまけに運転中の運転手まで巻き込んで「お前はどう思う?」なんて言ってましたが、さすがに運転手は相手にしませんでした。
知人らしき・・・アレ、ひょっとしたら初対面じゃないのかなぁ・・・だとしたら、スゴイんだけど・・・仕事中の時と違って、ラブラブ光線全開の表情でした。(笑)